水槽撮影

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ホームセンターで売っている長辺30cmくらいのガラス水槽に一眼レフカメラを入れて、水に沈めて撮る。
フィルムの時代から何度もトライしてきた撮影法ですが、写る範囲やピント、露出がよくわからず、とりあえずシャッターを切っては変な写真を量産してきました。

水槽は今までと一緒ですが、デジタル一眼レフに、アングルファインダーというファインダーを上からのぞく機材をつけ、レンズもできるだけ被写体に寄れる広角レンズを使い、ストロボもカメラから離して水槽の外側から発光させるなどして工夫(といってもガムテープで水槽に貼り付けているだけ)したところ、だいぶ絵づくりの精度が上がってきました。

写真はニホンザリガニ。
赤茶色が体色の基本ですが、生息地によってはこのようなブルーの個体がいます。

デジタルカメラの解像度

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以前、雑誌編集者から「見開きで使用するには解像度がちょっと足りませんねぇ」と言われたことがあります。
たしかに印刷物の解像度の基準となる300~350dpiで計算すると、いま使っているニコンのD700というカメラは約1200万画素のため、見開いてA3サイズになるような紙面にはデータ量が不足します。

でも画像処理ソフトの画像を拡大する演算技術も向上したし、写真展ではD700のデータからA3よりも大きなプリントを作りますから、まあ問題ないだろうというくらいに思っていました。
で、数日前、今度はまったく別な会社の編集の方から同じことを言われてしまいました。
どうも放っておいてはまずい事態になってきました。

A3の用紙の大きさは420×297mm。
350dpiという解像度でA3で印刷できるデータのピクセル数は5787×4093pixel(ややこしい)。
つまり 5787×4093=23686191 というわけで、約2368万画素以上のデジタルカメラが必要になります。
ニコン製でD700の代わりになる機種を選ぶとなるとD600とD800しかない。
いつかD700を更新するとしたらどちらかになるので機種選びはシンプルですが、財布の中が…。

写真は水辺でくつろぐカワアイサたち。

写真の限界

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この冬は近年出版された生態学やら生物学の教科書を読んでいます。撮影が終わった素材の裏づけをするばかりでなく、これから取り組むテーマすべてに大いに関係があるからです。

かたくなった頭には理解できない内容も多いのですが、表現形可塑性、遺伝子、DNA、ゲノム、環境、エコゲノミクスなど、いかつい専門用語のなかに生き物の本質に触れる概念があってわくわくします。20数年前に高校で生物学を習ったときは受験のためでしたが、大人になった今は読みたくて読んでいるので教科書が妙におもしろい。

読めば読むほど、写真で生き物のことを伝える「限界」もあるなと感じています。生き物の本質は細胞や遺伝子などの、写真では表現しきれない細かな部分に多くひそんでいるからです。写真で撮れない事象は文や絵で伝えるしかありません。

たとえ写せるサイズの被写体であっても、写真はしょせん表面化している色や形しか記録できません。いくら愛情や怒りといった生き物の内面を感じる写真であっても、実際に写るのは生物の表面です。色や形のディテールを謙虚に記録することが写真家の仕事ではありますが、「見た目」を過信せず写真の限界を意識することもとても大事に思えます。

逆光で見るツブツブ

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降りしきる雪が夕暮れの光で浮かび上がった。

雪でもダイヤモンドダストでも群れ飛ぶ蚊や雪虫でも、
空中を舞うツブツブは太陽に向かって撮る「逆光」を使うと効果的に浮かび上がる。
太陽に近すぎるところを撮ると、画面上部に出ているようなレンズの乱反射で画面が白く濁ってしまうけど。
刻々と変化する光のなかで、なるべくツブツブが効果的に見えて、
かつ乱反射が出すぎないところをねらうのが勝負どころ。
背景が暗かったり、背景までの距離が遠いとさらにツブツブは浮かび上がる。

そこにある写真

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雪が積もり、いちど解けたのち凍って自動車のタイヤがその氷を割った跡。
これから冬を迎えるという季節のなかで、そこにそういうものがありました、
としか説明しようのない写真。

説明できない写真、言葉に変換できない写真、逆にすみずみまで説明できる写真。
感覚的な写真、理論から攻める写真。
帰納法か演繹法か。
方法論を論じる知識は持ち合わせていないけれど、
いま撮ろうとしているものが何なのか、撮ってしまったものがなんだったのか、
しっかり考えることが写真に力を与えると、この頃強く思うようになった。

プロフィール

石黒誠の写真と活動を紹介するブログです。

Makoto Ishiguro

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