雪虫

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10月27日。寒い雨や曇りの日が続いた後で、穏やかな晴天がひろがった。
例年だと富良野の雪虫の飛翔のピークはとっくに過ぎている。
今年はあまり飛ばないのかなと勝手に想像していたが思い込みに過ぎなかった。

昼過ぎ、娘を昼寝させるためにベビーカーに乗せて散歩しているときに異変に気がついた。
市街地のいたるところに雪虫が飛んだり群れていた。
しかもその数は家を出た30分ほど前より急速に増えているようにも感じた。
もしやと思いながら、住宅地を出て広々とした畑が広がる道路から遠くの景色を眺めたとき息をのんだ。
2km先の山裾までの広々とした空間が空の星よりも多い無数のツブツブで埋め尽くされていたのだ。

ベビーカーでぐっすり眠ってくれた親孝行の娘を嫁にバトンタッチして、家の近くの撮影場所に駆けた。
日没になんとか間に合い、その後の残照でも撮りまくった。
雪虫の素材はほぼそろえたつもりだったが油断は大敵だなと強く思った夕暮れだった。

雑誌「スロウ」Vol.33 に雪虫の記事が掲載されています。
『富良野の森で、写真家石黒誠さんに教わる雪虫の意外な生態』
スロウ編集部が取材に来てくださり4ページを割いてくれました。
2012年10月25日発売 クナウマガジン発行(帯広市)
巻頭特集『雪がもたらす、暮らしの広がり』の一部です。
定価880円(税込)




秋の道ばた

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草むらが道ばたに数十メートルも続いていてどこも似たような感じに見えるのに
何度通ってもふと撮りたくなる一角がある。
枯れかかった花が咲いていて他の草が雑多にその周囲にあるだけ。

感覚的に風景を撮るときも似た感じ。
構図がいいのか、光がいいのか、被写体がいいのかよく分からないまま心が動くから撮る。
科学的もしくは理屈で説明できる根拠はなし。
理由はどうであれ記録して見せられるのが写真のいいところなのかな。

虫の生態とか自然の仕組みを見せるために撮るときは理屈で考えてから撮る。
その写真は言葉できっちり説明できる写真になる。
この頃は科学や理屈から責めるほうが多いかな。
「おもしろい!」という気持ちはいつでも大切で重要なアイデアが隠されていたりもするが
感覚や思い付きはあいまいでただの思い込みだったりもする。

タネはいくつ?

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森を歩くとオオウバユリのタネがあちらこちらで実っているのを見る。
手でかるく茎をゆするだけでパラパラとタネが散るのでおもしろいのだが、
いったいいくつのタネがひとつの株に実っているのだろう。

まだ青い房(房というのだろうか)をなんとなくひとつナイフで切り取って持ち帰り、
窓際に置いておくと乾燥してぱっくりと開いた。
房を逆さにして軽く振るだけでタネがさらさらと敷いた紙の上に散った。
息子と一緒に数えた。ひとつ、ふたつ。5才の息子は10個も数えないうちに飽きてその場を脱出。
意外と早く5分ほどで数え終わった。450個あった。
株に房は8個くらいはたしか実っていたから一株3600個のタネになる。

そのうち一つでもまた花を咲かせる株に成長できるのだろうか。
オオウバユリへのなんともいえない愛おしさが、タネを数えた指先から感じられた。
本で調べていたらこんな感覚を味わうことはなかったと思う。

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遠くから見る森はまだ緑色だけれど、
林道を歩けば黄色や茶色になった葉がところどころに積もっている。
写真はウダイカンバ(マカバ)の葉っぱ。

おもしろいのは緑と黄が混じった葉とか、
左右で色が分けれている葉とか。

紅葉や黄葉のメカニズムは自然関係の本で書かれているのを見るけれど、
この一枚一枚の葉の色の違いについて何か物語がひそんでいるのだろうか。

プロフィール

石黒誠の写真と活動を紹介するブログです。

Makoto Ishiguro

Author:Makoto Ishiguro

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