そこにある写真

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雪が積もり、いちど解けたのち凍って自動車のタイヤがその氷を割った跡。
これから冬を迎えるという季節のなかで、そこにそういうものがありました、
としか説明しようのない写真。

説明できない写真、言葉に変換できない写真、逆にすみずみまで説明できる写真。
感覚的な写真、理論から攻める写真。
帰納法か演繹法か。
方法論を論じる知識は持ち合わせていないけれど、
いま撮ろうとしているものが何なのか、撮ってしまったものがなんだったのか、
しっかり考えることが写真に力を与えると、この頃強く思うようになった。

みずたま

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寒い朝にエノコロ草の穂先にみた水玉の数々。

気になる空き地

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息子を保育所に送り迎えするたびに気になる場所がある。
住宅地と木材工場の土場(どば)の境目。使われていない物置といつも伸び放題の草むら。
この田舎では、探せばたぶん似た景観はいくらでもあるのだろうけど、
小さな範囲にいつも季節が凝縮されているようで何度も足を止める。

春のフキノトウ、初夏のルピナス。森のように茂った夏の草むら。
秋の夕陽と群れ飛ぶ雪虫、厳冬の雪とダイヤモンドダスト。
見ようと思えばこの土地ではありふれたものばかりだけれど、保育所に自転車もしくは歩いて行きさえすれば、
紙芝居のようにきっちりと季節ごとの景色がそこに広がる。
こんなことをおもしろがっているのは自分だけかも知れないとも思いつつ、
こんなことに気づいて普遍化させるのも仕事なのかも知れないな、とも思う。

落ち葉の色

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全体が紅や黄に色づいて散る葉もあれば、
いろんな色が不思議な模様に混ざり合っている葉もある。
画面のまんなかにあるのはヤマブドウの葉。
真っ赤に染まっているのはよく見るけれど、こんなふうにもなるんだね。

撮りおろし展「かけがけのないC&N-HOKKAIDO2012-」

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もうひとつ写真展のお知らせです。

撮りおろし展「かけがけのないC&N-HOKKAIDO2012-」
(C&N=Culture&Nature)
2012年11月30日(金)~12月5日(水)10:00-19:00 入場無料
富士フイルムフォトサロン札幌 〒060-0042 札幌市中央区大通西6丁目 富士フイルム札幌ビル1階
主催 NPO法人北海道を発信する写真家ネットワーク

NPOの会員である写真家が「かけがけのないC&N」とは何かを考え表現した写真展です。
私はニホンザリガニの体色とエゾエンゴサクの花色の多様性を表す作品を出展しております。
一個体ずつ撮影してコラージュした写真です。

12月1日にはフォトトーク「私が表現する―かけがえのないC&N―」が開催されます。
内藤律子さん、宮本昌幸さん、及川修さんのお話が聞けます。
詳しくはこちら

岡本洋典氏の写真展のお知らせ

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岡本洋典さんの写真展のお知らせです。
写真家の大先輩である岡本さんからは仕事の進め方について教わることが多い。
氏の写真や価値観に共感する部分が多いからだと思う。
自然を理解する確かな眼差しが写し出す作品をご覧ください。

写真展の案内より
「自然写真家・岡本洋典が過去1年間に撮りおろした、北海道全域の魅力的な自然環境・動植物・自然現象などから16点を展示します。北海道の自然の素晴しさと直面する問題の双方について、雨竜沼自然観にてご高覧ください。」

移動する生物

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冬越しのためにオオハクチョウやコハクチョウが大空を渡っていく。
エゾシカは夏の餌場から越冬場所へ移動する。
雪虫として親しまれているトドノネオオワタムシも樹から樹へ飛んでひっこす。

世界に目を向ければカリブーやオオカバマダラの大移動が知られているけれど
身近なところでもいろんな生き物たちが季節ごとに移動してくらしている。

移動するためにエネルギーを消費し、旅の途中で脱落して個体数を減らす。
それでも移動する。
鳥類やほ乳類を見ていると感情移入をしやすいせいか、
個体ごとの生きたいという欲求や家族愛を感じる。
小さな虫が移動途中でバタバタと死んでいくのを見ると、
個体の死など全体にとっては小さなことで種(しゅ)として次世代へ命をつなぐのが
小さな生き物たちの本質のような気もしてくる。

雑誌「スロウ」Vol.33 に雪虫の記事が掲載されています。
『富良野の森で、写真家石黒誠さんに教わる雪虫の意外な生態』
スロウ編集部が取材に来てくださり4ページを割いてくれました。
2012年10月25日発売 クナウマガジン発行(帯広市)
巻頭特集『雪がもたらす、暮らしの広がり』の一部です。
定価880円(税込)

プロフィール

石黒誠の写真と活動を紹介するブログです。

Makoto Ishiguro

Author:Makoto Ishiguro

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