生き物と写真

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この冬ほとんど撮りに出ていないんだ、と言うと友人は怪訝な顔をした。
写真を撮らない写真家は仕入れをしない商店と同じじゃないか、という感じで。

写真絵本が来年11月頃に出版されることが決まった。
その絵本の企画は文章からはじまる。ちゃんと読みとおせるテキストを写真が助けていくのだ。
その方法に、ものすごく納得するところがあって、何かの自然の物語を伝えたいとき、とにかく現場に出てバリエーションよく撮りためていくアプローチを重視しても本質に迫れないと思うようになった。
もちろん現場からの発想や、撮って気づくことも大事なんだけど。

今後の企画や進行中の撮影の裏付けのために教科書や関連図書、論文にあたってます。
目を楽しませるような写真はなかなかアップされず、
ブログを訪れてくださった方を落胆させていることと思います。

年内はたくさんのみなさまにご訪問いただきましてありがとうございました。
よいお年をお迎えください。

キタキツネ

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ふと見るとキタキツネが座ってこちらを観察中。
お互いに見合うこと5分。その後キツネは少し移動して林道のまんなかにフンをして立ち去った。
キタキツネもエゾタヌキも人の目につくところにふっと出てきて、ふっといなくなる。

逆光で見るツブツブ

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降りしきる雪が夕暮れの光で浮かび上がった。

雪でもダイヤモンドダストでも群れ飛ぶ蚊や雪虫でも、
空中を舞うツブツブは太陽に向かって撮る「逆光」を使うと効果的に浮かび上がる。
太陽に近すぎるところを撮ると、画面上部に出ているようなレンズの乱反射で画面が白く濁ってしまうけど。
刻々と変化する光のなかで、なるべくツブツブが効果的に見えて、
かつ乱反射が出すぎないところをねらうのが勝負どころ。
背景が暗かったり、背景までの距離が遠いとさらにツブツブは浮かび上がる。

モミ属と雪

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トドマツの枝先に雪が降り積もる。

トドマツはモミ属。クリスマスに歌われる「もみの木」のモミの仲間だ。
歌のなかのモミの木は違う種類の樹木だそう。
でもトドマツだって雪はよく似合うと思う。

ちなみに北海道を象徴するエゾマツはトウヒ属。
属は違うけれど、枝先に雪をのせて天に向かって立つ姿は
トドマツとともにクリスマスツリーそのものだ。

色と形の背景にあるもの

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学校や自然観察会で子どもたちに聞かれることがある。
「なぜ葉っぱはそういうかたちなの?」
「なぜこの花の色は黄色なの?」

実験しやすい植物については研究が進んで、
その形や色を支配している遺伝子は何か、どんな物質がかかわっているかなどが調べられているけれど、
道端に何気なく生えている見慣れた植物でさえ、論文を検索しても学会のウェブサイトを見ても植物学関係の
教科書を読んだって分からないことの方が多い。
そんな「どのようなしくみで」の先には、「なぜ」そうなっているか、
という生き物の進化についてのもっと大きな問いも横たわっている。

色や形といった生き物の表面に見えるもの(表現型)の背景を調べるのは
おもしろくもあるけれど困難が山積みだ。
しかも対象は草本、木本、昆虫、両生類、魚類におよぶ。
来年1月にこのテーマで講演するのだけど間に合うだろうか。

プロフィール

石黒誠の写真と活動を紹介するブログです。

Makoto Ishiguro

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