写真の限界

130225b.jpg

この冬は近年出版された生態学やら生物学の教科書を読んでいます。撮影が終わった素材の裏づけをするばかりでなく、これから取り組むテーマすべてに大いに関係があるからです。

かたくなった頭には理解できない内容も多いのですが、表現形可塑性、遺伝子、DNA、ゲノム、環境、エコゲノミクスなど、いかつい専門用語のなかに生き物の本質に触れる概念があってわくわくします。20数年前に高校で生物学を習ったときは受験のためでしたが、大人になった今は読みたくて読んでいるので教科書が妙におもしろい。

読めば読むほど、写真で生き物のことを伝える「限界」もあるなと感じています。生き物の本質は細胞や遺伝子などの、写真では表現しきれない細かな部分に多くひそんでいるからです。写真で撮れない事象は文や絵で伝えるしかありません。

たとえ写せるサイズの被写体であっても、写真はしょせん表面化している色や形しか記録できません。いくら愛情や怒りといった生き物の内面を感じる写真であっても、実際に写るのは生物の表面です。色や形のディテールを謙虚に記録することが写真家の仕事ではありますが、「見た目」を過信せず写真の限界を意識することもとても大事に思えます。

冷たい!

130220.jpg

冬の公園はフカフカの雪がどっさり積もっています。
夏は手が届かない鉄棒も今は目の前に。
果敢にチャレンジして失敗し、顔面から落下した妹2才。
自分も写真を撮ってもらいたくて、わざと雪に顔をつっこんで喜ぶ兄5才。

どっさりの雪と言っても2月末の積雪はおよそ70cmほどで、富良野盆地は積もる年でも1mくらいです。
気象庁の過去のデータで日本海に近い倶知安(くっちゃん)の積雪を見ると、2mを超えている年が珍しくない。
富良野はそこまで積もらず、近年岩見沢や札幌周辺で見られるような集中的な降雪も今のところなし。
日本海からそこそこ離れた位置にあり、雪雲がやってくる西側を夕張山地がブロックしているせいかも知れません。

雪と風

130214.jpg

強風が吹き荒れる冬の日。
いったん積もった雪が吹き飛ばされて舞っていた。

しゃがんで低い位置から雪原を見ると、雪面をさらさらと移動する雪粒の層があった。
雪は横にも移動するんだ…。
頭では分かっていても、はじけ、転げまわり、舞い上がっては落ちて移動していく雪はなにか生き物のようでもあった。

寒さに耐える

130207d.jpg

「植物の耐寒戦略」酒井昭著、北海道大学図書刊行会を読んだ。
落葉広葉樹の冬芽がどうやって寒さに耐えているか知りたかったので。

冬芽のなかには芽が大事にしまわれているけれど、
その芽の細胞のなかで水が凍ってしまうと細胞は破壊され、芽もダメージを受ける。
だから「器官外凍結」といって、芽のそとに水が出て行って凍るしくみを持っていて、細胞は脱水されるけど死なずにすむ、ということらしい。
芽のそと、といっても冬芽のそとではない。
冬芽のなかのすきまに氷ができるのである。
写真はオニグルミ。

プロフィール

石黒誠の写真と活動を紹介するブログです。

Makoto Ishiguro

Author:Makoto Ishiguro

カレンダー

01 | 2013/02 | 03
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 - -

メールフォーム

ブログの感想・お問い合わせはこちらまでお願いします。

名前:
メール:
件名:
本文: