写真の限界

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この冬は近年出版された生態学やら生物学の教科書を読んでいます。撮影が終わった素材の裏づけをするばかりでなく、これから取り組むテーマすべてに大いに関係があるからです。

かたくなった頭には理解できない内容も多いのですが、表現形可塑性、遺伝子、DNA、ゲノム、環境、エコゲノミクスなど、いかつい専門用語のなかに生き物の本質に触れる概念があってわくわくします。20数年前に高校で生物学を習ったときは受験のためでしたが、大人になった今は読みたくて読んでいるので教科書が妙におもしろい。

読めば読むほど、写真で生き物のことを伝える「限界」もあるなと感じています。生き物の本質は細胞や遺伝子などの、写真では表現しきれない細かな部分に多くひそんでいるからです。写真で撮れない事象は文や絵で伝えるしかありません。

たとえ写せるサイズの被写体であっても、写真はしょせん表面化している色や形しか記録できません。いくら愛情や怒りといった生き物の内面を感じる写真であっても、実際に写るのは生物の表面です。色や形のディテールを謙虚に記録することが写真家の仕事ではありますが、「見た目」を過信せず写真の限界を意識することもとても大事に思えます。

プロフィール

石黒誠の写真と活動を紹介するブログです。

Makoto Ishiguro

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